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概要(歴史・特徴・魅力)
知床岬(しれとこみさき)は、北海道斜里郡斜里町に位置する知床半島の最東端にある岬です。知床(アイヌ語で「シレトコ/shiretoko」は「地の端」を意味するとされる)は、2005年にユネスコ世界自然遺産に登録された知床国立公園の象徴的な地点のひとつで、手付かずの原生自然と豊かな海洋生態系が残ります。
海岸線は断崖や奇岩が連なり、海鳥や海洋哺乳類の生息域、季節による流氷の景観など自然の迫力が魅力。陸上ではヒグマや原生林、海上ではクジラやシャチ、オオワシ・オジロワシなどが観察されることがあり、「海と山が出会う」独特の景観と生態系を見ることができます。
見どころ
- 知床岬本体:断崖と海に突き出した岬の景観。船から間近に見る大自然の迫力は圧巻。
- 野生動物ウォッチング:海上からのクジラ・イルカ・アザラシ、上空を舞うオオワシ類、陸上のヒグマの痕跡など。
- 季節ごとの表情:春〜秋は緑と海のコントラスト、冬は流氷(本土近辺では流氷を海から観察できる時期あり)が見られる場所もある(時期・航路による)。
- 周辺の自然地形:知床五湖、カムイワッカ湯の滝、知床峠からの眺望などを合わせて楽しめる。
アクセス(最寄り駅・交通手段など)
- 最寄り鉄道駅:JR釧網本線の「知床斜里駅(旧:斜里駅)」が最寄の主要駅。駅からウトロ・羅臼方面へは路線バスやタクシー、レンタカー利用で移動します。
- 観光船:知床岬へ行く一般的な手段は観光船(クルーズ)。ウトロ港や羅臼港から季節運航(主に春〜秋)で出航します。出航状況は天候・海況に左右されやすく、欠航になることがあります。
- トレッキング:知床岬へ徒歩で到達するルートもありますが、長距離で複数日を要し、ヒグマ対策や装備が不可欠です。一般的にはガイド同行の縦走プログラムが推奨されます。
- マイカー・レンタカー:斜里・ウトロまで車でアクセスし、港から船に乗るのが便利。冬季は通行規制や路面凍結に注意。
滞在目安(所要時間の目安)
- 観光船で往復する場合:半日〜1日(出航元やコース、天候によって変動)。船上での往復クルーズや岬を周遊するコースが一般的。
- トレッキングで到達する場合:片道で複数日(往復で2〜3日以上)かかることが多く、体力と準備が必要。
- 知床地域全体を観光する場合:知床五湖やカムイワッカ温泉などを含めて1〜2日、ゆっくり回るなら2〜3日以上を推奨。
近隣スポット
- 知床五湖(知床五湖散策路)— 森と湿原、湖面に映る山並みが美しい。
- カムイワッカ湯の滝— 温泉が流れる滝(入浴は場所と時期に注意)。
- 知床峠— 峠からの展望は晴天時に素晴らしい眺め。
- ウトロ温泉— 観光の拠点となる温泉地。宿泊施設や観光船の発着地。
- 羅臼(羅臼港)— 羅臼側からの海の魅力、海鮮やオオワシ観察など。
- オシンコシンの滝、斜里市内の施設— 車で短時間で行ける観光地。
注意点(混雑・マナー・季節の注意など)
- 天候・海況の影響:知床岬へ行く観光船は天候や海況で欠航・短縮運航になることが多い。出航前に必ず運航会社の情報を確認し、余裕を持った予定を組んでください。
- ヒグマなど野生動物の危険:知床はヒグマ生息域です。トレッキングは単独行動が危険で、ガイド同行や熊対策(鈴・熊スプレー等)を推奨。野生動物には絶対に近づかない、餌を与えないでください。
- 立ち入り制限・ルール遵守:国立公園内では遊歩道や立入禁止区域、ガイド同行を要する時期があります。標識や係員の指示に従い、自然環境保護に配慮してください。またドローン等の利用は規制されている場所があります。
- 携帯・救援体制:岬周辺は携帯電話の圏外になることが多く、救助や連絡が遅れる可能性があります。十分な装備と計画、天候確認を。
- 季節の注意:流氷期や冬季は海上・陸路ともに閉鎖・運休が多く、岬へのアクセスはほぼ不可。春〜秋の観光シーズンでも急変する天候に注意。
- 予約と混雑:観光船は繁忙期(夏休み、ゴールデンウィーク等)に混むため、事前予約をおすすめします。宿泊施設も早めの確保が安心です。
知床岬は「手つかずの大自然」を間近に感じられる特別な場所ですが、その分リスク管理と自然への配慮が重要です。訪問の前に運航会社や知床世界遺産センター、地元観光案内所の最新情報を確認し、安全でマナーある観光を心がけてください。

